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競売物件の買い方|入札から落札までの流れ

物件探しから入札書の記入、保証金の振込、開札、代金納付まで。初めての競売入札を完全ガイドします。

読了目安 10分
結論:競売の流れは「物件探し→3点セット確認→入札→開札→代金納付→引渡し」の6ステップ。入札期間は約1週間、開札から引渡しまで約1〜2ヶ月かかります。

競売物件の購入は、通常の不動産取引とは手順が大きく異なります。ここでは、物件探しから引渡しまでの全工程を10のステップに分けてわかりやすく解説します。全体の流れを把握しておけば、初めての入札でも落ち着いて対応できるでしょう。

ステップ1:物件を探す

競売物件を探す方法はいくつかありますが、最も一般的なのは裁判所が運営するBIT(不動産競売物件情報サイト)です。BITでは、全国の裁判所で公告された競売物件の情報を無料で閲覧できます。

物件情報には、所在地、物件の種類、売却基準価額、入札期間などの基本情報が掲載されています。競売・公売ポータルでは、BITの情報をより見やすく整理し、エリアや価格帯で絞り込み検索ができるようにしています。気になる物件を見つけたら、次のステップに進みましょう。

ステップ2:3点セットを閲覧する

競売物件を検討する上で最も重要な資料が「3点セット」です。3点セットとは、以下の3つの書類をまとめた呼称です。

  • 物件明細書:権利関係や引受けるべき負担の記載
  • 現況調査報告書:執行官が現地で調査した建物や土地の状態
  • 評価書:不動産鑑定士による物件の評価額と算出根拠

この3点セットを丁寧に読むことで、物件のリスクをかなりの精度で把握できます。読み方のコツは3点セットの読み方の記事で詳しく解説しています。入札を検討する物件は、必ず3点セットを隅々まで確認してください。

ステップ3:入札書を記入する

入札を決めたら、入札書を記入します。入札書は管轄の裁判所の執行官室で入手するか、裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。

入札書に記入する主な項目は以下のとおりです。

  • 事件番号と物件番号
  • 入札価額(自分が購入してもよいと思う最高金額)
  • 入札者の住所・氏名(法人の場合は名称と代表者)
  • 電話番号
  • 代理人がいる場合はその情報

入札価額は「買受可能価額」以上であれば自由に設定できます。買受可能価額とは、売却基準価額の8割の金額です。入札価額の決め方に正解はありませんが、周辺相場やリフォーム費用を考慮して、自分の上限額を冷静に設定することが大切です。

ステップ4:保証金を振り込む

入札に参加するには、入札保証金(売却基準価額の20%)を事前に振り込む必要があります。振込先は裁判所が指定する銀行口座です。

保証金の振込に関する注意点を確認しておきましょう。

  • 振込は入札期間の開始日までに完了させる
  • 振込名義は入札者本人の名前と一致させる
  • 振込明細書(領収証)は入札書に同封する必要がある
  • 落札できなかった場合は、開札後に全額返金される

費用の詳細については、競売にかかる費用の全てもあわせてご覧ください。

ステップ5:入札期間中に入札する

入札書と保証金の振込証明書を封筒に入れ、管轄の裁判所に提出します。提出方法は持参または郵送のいずれかです。郵送の場合は入札期間の最終日までに裁判所に届く必要があります(消印有効ではありません)。

入札期間は通常1週間程度です。一度提出した入札書の変更や取下げはできませんので、金額は慎重に決めましょう。封筒は裁判所から専用のものが提供される場合もありますが、一般的な封筒でも構いません。

ステップ6:開札

入札期間の終了後、裁判所で開札が行われます。開札日は公告で事前に告知されています。入札者本人またはその代理人が開札に立ち会うことも可能ですが、必須ではありません。

最も高い金額を入札した人が「最高価買受申出人」となります。もし同額の入札者がいた場合は、くじ引きで決定されます。開札結果は裁判所の掲示板やBITで確認できます。

ステップ7:売却許可決定

開札から約1週間後、裁判所は「売却許可決定」を行います。これは、最高価買受申出人に対して物件を売却してよいかどうかを裁判所が判断する手続きです。

通常は問題なく許可されますが、以下のような場合は不許可となることがあります。

  • 入札手続きに重大な瑕疵(ミス)があった場合
  • 買受申出人が欠格事由に該当する場合
  • 債務者から売却許可に対する異議が認められた場合

売却許可決定が確定すると、次の代金納付手続きに進みます。

ステップ8:代金を納付する

売却許可決定の確定後、裁判所から代金納付の通知が届きます。代金納付期限は通常、売却許可決定の確定日から約1か月以内です。

納付する金額は「落札価額 - 入札保証金」です。既に振り込んだ保証金は代金の一部に充当されます。期限内に代金を納付できない場合、入札保証金は没収され、物件を取得する権利も失われますので、資金計画はあらかじめしっかり立てておきましょう。

ステップ9:所有権移転

代金の納付が完了すると、裁判所の嘱託により所有権移転登記が行われます。通常の不動産売買では買主側で司法書士を手配する必要がありますが、競売では裁判所が嘱託登記を行ってくれるため、手続きは比較的簡便です。

登記に必要な登録免許税は代金納付時に一緒に納める必要があります。税額は固定資産税評価額に一定の税率を掛けて算出します。

ステップ10:物件の引渡し

所有権が移転したら、いよいよ物件の引渡しです。物件が空き家であれば、鍵の受取り後すぐに利用を開始できます。

しかし、物件に占有者(居住者)がいる場合は別途対応が必要です。まずは任意での退去を交渉し、応じてもらえない場合は「引渡命令」の申立てを裁判所に行います。引渡命令は代金納付後6か月以内に申し立てる必要があります。占有者問題の詳細は競売物件のリスクと回避方法を参照してください。

全体のスケジュール目安

手続き時期の目安
物件探し・3点セット閲覧入札開始の2〜4週間前
入札書記入・保証金振込入札期間開始まで
入札期間約1週間
開札入札期間終了の約1週間後
売却許可決定開札の約1週間後
代金納付売却許可確定から約1か月以内
所有権移転登記代金納付後、数日〜2週間
引渡し登記完了後すぐ(占有者なしの場合)

物件探しから引渡しまで、トータルで約2〜3か月が一般的な目安です。住宅ローンを利用する場合は、金融機関との事前調整が必要なため、さらに早めに準備を始めることをおすすめします。

まとめ

競売物件の購入は、大きく分けると「物件調査 → 入札 → 開札・落札 → 代金納付 → 引渡し」という流れで進みます。通常の不動産取引と比べて手順が独特ですが、一つひとつのステップは決して難しくありません。

最も重要なのは、入札前の物件調査です。3点セットの読み方をしっかり学び、必要な費用を把握した上で、余裕を持った資金計画を立てましょう。競売・公売ポータルでは物件情報の検索から3点セットの閲覧まで、競売参加をサポートする情報を提供しています。

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