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競売物件の占有者問題|引渡命令と立退き交渉

落札後に居住者がいた場合の対処法。引渡命令の申立て手順と、穏便な立退き交渉のコツを解説します。

読了目安 9分
結論:占有者がいる物件は、まず任意交渉(引越し費用10〜30万円の負担提案)で退去を促し、応じなければ引渡命令→強制執行で対処します。初心者は空室物件から始め、占有者物件は3点セットで「引渡命令の対象」と明記されたものを選ぶのが安全です。

占有者とは

競売物件における「占有者」とは、その物件に住んでいたり、 使用していたりする人のことを指します。 競売が行われるのは、元の所有者がローンを返済できなくなった場合がほとんどです。 そのため、元の所有者やその家族がまだ物件に住み続けているケースは珍しくありません。

占有者の存在は、競売物件を取得するうえで大きな問題になり得ます。 代金を納付して所有権を得ても、占有者が退去しなければ物件を自由に使うことができません。 占有者問題への対処は、競売参加者が必ず理解しておくべきテーマです。

占有者がいるケース

競売物件の占有者にはいくつかのパターンがあります。 それぞれの性質によって、対処の難易度が変わってきます。

元所有者(債務者)が居住しているケース

最も多いのが、住宅ローンを支払えなくなった元の所有者が そのまま住み続けているケースです。 売却許可決定が確定し、代金が納付されると所有権は買受人に移転するため、 元所有者には退去する法的義務が発生します。 多くの場合、引渡命令によって比較的スムーズに対処できます。

賃借人が居住しているケース

元所有者が物件を賃貸に出していた場合、賃借人が占有者となります。 この場合、賃借権が抵当権設定より前に成立しているかどうかが重要な判断ポイントです。 抵当権設定前の賃借権は買受人に対抗でき、賃借人を退去させることはできません。 一方、抵当権設定後の賃借権は原則として買受人に対抗できません。

不法占有者がいるケース

法的な根拠なく物件を占有している人がいるケースもあります。 元所有者の知人や関係者が無断で使用していたり、 悪質な場合は競売妨害目的で占有しているケースもあります。 このような場合は法的手続きでの対処が必要になります。

物件明細書での確認方法

占有者の有無や状況は、3点セットで確認できます。 特に以下の書類の記載を注意深く読みましょう。

物件明細書

物件明細書には「買受人が負担することとなる他人の権利」という欄があります。 ここに賃借権などの記載がある場合、その権利は買受人に引き継がれます。 「なし」と記載されていれば、買受人が負担すべき権利はありません。

現況調査報告書

現況調査報告書には、執行官が実際に物件を訪問して確認した結果が記載されます。 占有者の氏名、占有の権限(所有者本人、賃借人、その他)、 占有開始時期、家賃の有無と金額などが記録されています。 また、室内の写真も添付されるため、物件の状態もある程度把握できます。

評価書

評価書には、占有者がいることによる減価がどの程度考慮されているかが記載されます。 占有リスクが高い物件は、その分だけ評価額が下がる傾向があります。

引渡命令の申立て

代金を納付した買受人は、物件の引渡しを占有者に求めることができます。 占有者が任意に退去しない場合、裁判所に「引渡命令」の申立てを行います。

引渡命令とは

引渡命令は、裁判所が占有者に対して物件の引渡しを命じる決定です。 通常の裁判(訴訟)を経ずに、比較的簡便な手続きで取得できる点が特徴です。 引渡命令が確定すれば、強制執行の申立てが可能になります。

申立ての要件

  • 代金納付が完了していること
  • 代金納付から6か月以内に申し立てること
  • 占有者が買受人に対抗できる権限を持っていないこと

手続きの流れ

引渡命令の申立てから確定までの流れは以下のとおりです。

  • 裁判所に引渡命令の申立書を提出する(収入印紙・郵便切手を添付)
  • 裁判所が審査し、要件を満たしていれば引渡命令を発令する
  • 占有者に引渡命令が送達される
  • 占有者が1週間以内に執行抗告しなければ、引渡命令が確定する
  • 確定後、強制執行の申立てが可能になる

申立てから確定までは、通常2〜4週間程度です。 占有者が執行抗告をした場合は、さらに時間がかかります。

強制執行の流れ

引渡命令が確定しても占有者が退去しない場合、強制執行を申し立てます。 強制執行は執行官が主導して行う物件の明渡し手続きです。

催告

強制執行の申立て後、まず執行官が占有者のもとを訪れ、 一定の期日までに退去するよう催告します。 催告では、物件内の動産(家財道具など)を撤去する期限も通告されます。 催告から実際の強制執行日(断行日)までは通常1か月程度です。

断行(強制執行の実施)

催告後も占有者が退去しない場合、断行日に執行官と専門業者が物件に入り、 占有者を退去させるとともに、残置物を搬出します。 搬出された動産は一定期間保管され、占有者が引き取らなければ処分されます。

断行には解錠技術者、運搬業者、保管業者などの手配が必要であり、 相応の費用がかかります。

穏便な立退き交渉のコツ

法的手続きは確実ですが、時間とコストがかかります。 可能であれば、穏便な交渉で占有者に自主退去してもらうのが理想的です。

相手の立場を理解する

多くの占有者(特に元所有者)は、住宅ローンの返済に行き詰まり、 住む場所を失うことへの不安を抱えています。 高圧的な態度で臨むと態度が硬化し、交渉が長引くことがあります。 まずは相手の状況を理解する姿勢を見せましょう。

引越し費用の負担を提案する

自主退去を促すために、引越し費用の一部を買受人側で負担するという 提案は実務上よく行われます。法的には買受人にそのような義務はありませんが、 強制執行の費用と比較して合理的であれば、双方にとってメリットがあります。 一般的に10〜30万程度の引越し費用の負担で合意に至ることが多いとされています。

退去期限を明確にする

交渉がまとまったら、退去日を明確に書面で取り決めましょう。 口頭の約束だけでは、期日になっても退去しないリスクがあります。 合意書を作成し、退去日、引越し費用の金額と支払条件、 残置物の処理方法などを明記します。

専門家を介在させる

直接交渉が難しい場合は、弁護士や競売代行業者に交渉を任せることも検討してください。 第三者が入ることで感情的なこじれを防ぎ、冷静な交渉が進みやすくなります。

費用の目安

占有者対応にかかる費用は、状況によって大きく異なります。 以下は一般的な目安です。

項目費用目安
引渡命令の申立て数千円(収入印紙+郵便切手)
強制執行の申立て6〜10万程度(予納金)
断行時の業者費用30〜80万程度(物件の広さと残置物量による)
弁護士費用(依頼する場合)20〜50万程度
任意退去の引越し費用負担10〜30万程度

強制執行まで至った場合のトータル費用は、50〜150万程度になることもあります。 一方、穏便な交渉で自主退去に至れば、10〜30万程度で済むケースが多いです。競売にかかる費用の一部として、 入札前に占有者対応費用も織り込んでおくことが大切です。

占有者物件を避けるべきか

「占有者がいる物件は避けたほうがいい」と一概には言えません。 占有者がいることで入札者が減り、結果的に安く落札できる可能性があるからです。 占有者対応にかかる費用と時間を見込んでも、トータルで有利になるケースはあります。

ただし、初めての入札では、 占有者のいない空室物件を選ぶのが無難です。 競売の手続き全体の流れを経験してから、占有者物件に挑戦しても遅くはありません。

占有者物件に挑戦する場合は、以下のポイントを押さえてください。

  • 物件明細書で「引渡命令の対象となる」と明記されている物件を選ぶ
  • 占有者が元所有者本人(債務者)であるケースは比較的対処しやすい
  • 不法占有者や権利主張が複雑なケースは経験者向き
  • 占有者対応の費用を入札額の計算に含める
  • 弁護士に事前相談してから入札を検討する

占有者問題は競売のリスクのひとつですが、 正しい知識と適切な手順で対処すれば、解決できない問題ではありません。 法的手段が整備されている日本では、最終的には強制執行によって 確実に物件の引渡しを受けることができます。 過度に恐れず、しかし甘く見ず、冷静に対処しましょう。

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